エフテック 教育教材ロボット

ロボットを動かそう

センサを使う

 エフテックロボットは、赤外線センサを搭載しています。ロボットから赤外線を照射し、ライントレースのコースラインや、マイクロマウスの迷路の壁に反射した光をロボットのセンサが受光します。ロボットはこの赤外線の反射光を測定して、ラインや壁からどの程度離れているのか検出しています。


図1 P-ROBOセンサ


図2 トレースロボットセンサ

 トレースロボットとマイクロマウスの壁上センサは赤外線を発射し跳ね返りのあるなしをチェックしています。センサを複数個配置しているので、どのセンサが反応しているかをチェックすれば、目標位置とのズレを検出できます。

 たとえば、トレースロボットはロボットの中央センサのみラインを検出しているときは直進、左側のどれか1つのセンサがラインを検出したときはロボットがラインより右にズレている、右側センサがラインを検出したときは左にズレていると判断することができます。


左にズレた      直進      右にズレた
図3 姿勢の判断


 ライントレースでは、黒い床に白いラインが配置されているので、黒い床面上に位置しているセンサには光がほとんど反射しませんが、ライン上にあるセンサには光が反射してきます。多くの光を検出したセンサは、ラインを検出したと判断してマイコンに伝えます。


図4 ラインセンサ

 マイクロマウスの上方式センサでは、壁上をチェックしています。センサが壁上に位置したとき反射してくる光量が増えるのでセンサが反応し、壁位置を検出します。


図5 壁センサ

 マイクロマウスの横向きのセンサは測距用で、壁に当たった赤外線の反射量を測定しています。センサが受光した光量をADコンバータでデジタル値に変換し、CPUが読み取ります。反射が多いときは壁近くにいる、反射が少ないときは壁から離れた位置にいると判断します。これを赤外線光測距方式と呼びます。


図6 赤外線光測距方式


 光センサは、発光素子と受光素子で構成されています。発光素子には赤外線LEDがよく利用されます。受光素子には、フォトトランジスタやフォトダイオード、CdSなどが利用されています。これらの受光素子は、光が当たると電流が流れるようになる素子なので、発光素子から照射した光が対象物に当たって反射してくれば、回路に反射量に比例した電流が流れて対象物の検出ができます。

光センサ原理
図7 光センサの原理


図8 光センサ回路

 ただし、このままの回路では、周囲の光の影響をそのまま受けてしまいます。周りが明るければ、そのぶん受光素子の光検出量が大きくなるので、LED光の反射だけを受け取ることはできません。周りの明かりを外乱光と呼びます。外乱光の対策として規定周期的にLEDを一瞬だけ光らせます。受光側に投光側の同期と同期した反射光のみを取出すハイパスフィルタを設けると、LEDから照射した一瞬の光のみ受け取ることができます。この外乱光対策回路を光変調方式と言います。


図9 光変調型光センサ


ハイパスフィルタ通過前(左)  ハイパスフィルタ通過後(右)
図10 光センサ出力

 エフテックロボットでは、外乱光に影響されないように光変調方式のセンサICを利用しています。このセンサは、LEDの発光した光のみ受け取るフィルタや発光タイミング同期回路などが内蔵されているので、周囲の光にほとんど影響されません。


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2001.10


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