ロボットを動かそう
ここでは、ステッピングモータの回転をミクロ的に見てみましょう。ある1ステップのモータの回転を考えてみます。
モータコイルに電流が流れるようになると磁束が発生し、ロータが引きつけられて回転しはじめます。ロータは徐々に加速し1ステップ角ぶん進みますが、ロータには勢いがついているため目標位置を行き過ぎてしまいます。目標より行き過ぎてしまうと、こんどはロータを引き戻そうとする力が作用し、ロータが逆戻りします。しかし、このときも目標位置を少し行き過ぎてしまうので元に戻ろうと回転します。ロータはこの動きを何度か繰り返した後、目標位置で静止します。
図1 ステッピングモータのステップ動作
図2 ステッピングモータ回転角度
ステッピングモータの回転を連続して見ると、動く→行き過ぎ→静止の細かい動きを何度も繰り返しています。これが、モータの振動の原因となります。特に100-200ppsの低速回転時に振動が大きくなりますので、この速度領域からなるべく早く脱出するような加減速運転をしましょう。
図3 連続回転時のステッピングモータ回転角度
モータが高速回転になると、静止する間もなく次のステップに進むのでガタつきは少なくなり滑らかに回転します。
しかしあまりにもパルス速度が速くなると、目標角度まで廻る前に励磁が次のステップに進んでしまうのでロータが追従できません。これが脱調です。
2001.10