エフテック 教育教材ロボット

ロボットを動かそう

電池の管理

 ステッピングモータを使う場合は、電流をたくさん流す必要があります。そのためにはニッケル水素(Ni-MH)電池を使いましょう。Ni-MH電池は充電して何度も利用できるだけでなく、大電流を供給できるのが魅力です。一般的に、電池容量Cの2~3倍程度の電流を定常的に流すことが可能です。C=1400[mAh]の電池なら、2×1.4=2.8[A]まで流せます(瞬間的にはもう少し可能です)。なお、アルカリ乾電池ではこのような大電流は供給できません。


 電池は、数本でパックにされたものを利用しましょう。バラの電池を電池BOXに入れて使ってはいけません。電池BOXは端子の接触抵抗が大きいため、大電流を流すことができません。必ず、タブと呼ばれる金属板を溶接して接合した組電池を使いましょう。電池に直接ハンダ付けすると、電池内部の機構を溶かしてしまい非常に危険ですのでやめてください。

 エフテックでは、ロボット専用オプション品として7.2V1400mAhの電池パックを用意しています。小型軽量パッケージですので、ロボット搭載に便利です。


図1 電池パック [6MH-1400AE]

 ところで、電池は毎日のように使わないと本領発揮してくれません。買ってきたばかりや、しばらく使わないでいると、電池内部の化学反応が鈍くなり、電流を供給してくれません。でも、数回使い切る・充電するを繰り返せば、本来の性能を発揮するようになります。とくにロボット競技会に参加をするときは、電池管理を徹底しないと本番で走れなくなってしまいますので注意してください。

 Ni-MH電池の放電特性(電池使用時の電圧の変化)のグラフを図2に示します。Ni-MH電池は、電池容量の9割近くを消費するまで定格電圧を維持する特徴があります。


図2 Ni-MH電池の放電特性

 電池の充電は、エネルギーロスも考量して電池容量Cの約1.5倍の電荷を与えたところで終了します。たとえば、C=600[mAH]の電池にI=100[mA]の電流を流して充電する場合は、1.5C/I=1.5×600÷100=8[時間]の充電時間が必要です。通常の充電では、充電電流を0.1~0.3Cに設定しています。急速充電器では、I=1Cに設定しています。Ni-MH電池の充電特性を図3に示します。電池の充電が終わると、電池電圧が変化しなくなる特徴があるので、電圧を監視して充電を終了の判断をする充電器が多くあります。


図3 Ni-MH電池の充電特性

 Ni-MH電池は500回程度充電ができますが、使い切らないうちに充電することを繰り返すと、メモリ効果と呼ばれる電池容量が減ってしまう現象が起きるので注意が必要です。このときは、電池電圧が定格どおりであっても、供給電流も少なく、あっという間に使い終わってしまいます。電池は必ず使い切ってから充電しましょう。もし、メモリ効果が起きてしまっても、何度か使い切る・充電するを繰り返せば、元通りになります。

 では、電池を使い切った判断をどうすればよいのかというと、簡単な判定法は電池1本あたり0.9V程度になったかで判断します。ニッカド電池は充電直後が1本あたり1.4V、使用中が定格の1.2V、使い終わると0.9V程度の端子電圧になります。電池の使いはじめと終わりには忘れずに電圧チェックをしましょう。

 電池は過充電や過放電をすると寿命が短くなってしまいます。使用の際は注意しましょう。充電はラジコン用など各種の充電器キットが市販されてますので、これらを利用すると充電完了を自動検出して電源を切るので、過充電の心配がなく便利です。

 充電器の規定時間経過しても、電池電圧が上がらない、異常発熱する、電圧はあるのに電流を流せないなどという場合は、電池の劣化、故障が考えられます。もし、異常のある時はその電池を交換しましょう。

 LiPoバッテリーは、小さなサイズで大容量という特徴があります。ただし、正しい使い方をしないと激しく爆発するなどの危険がありますので、その特徴を理解して、取扱に十分注意する必要があります。


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2019.2


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