ロボットを動かそう
ロボットは、マイクロコンピュータ(マイコン)と呼ばれる小型コンピュータで制御します。マイコンを使えば、いつでも確実にプログラム通りにロボットを動作させることが可能です。また、プログラム変更だけですぐ改良ができ、特別な場合以外はハードウェアの改造をする必要がないので、大変便利です。
ロボットの原理ブロック図
CPUには、4ビット、8ビット、16ビット、32ビット、64ビットCPUなどがあります。ビット数が多いほど、一度に行う処理の量が多いので、それだけ高性能になります。たとえて言うなら、4人で同時に作業するより8人の方が、8人より16人の方がより多くの作業を処理できるといったところでしょうか。
4ビット |
8ビット |
16ビット |
32ビット |
CPUは高性能なものほど、電力消費が大きく、周辺の機器にも能力が要求されるので回路が複雑になります。現在の競技用ロボットは、16ビットCPUが主流です。
ロボットをどう動かすかは、パソコンを用いてプログラムを作ります。C言語で書いたプログラムであれば、CPUが変更されても今まで利用していたプログラムを大きく変更することなく引き継げます。ロボット用に書いたプログラムを、パソコンようのコンパイラを利用して画面上でシミュレーションすることも可能です。もちろん、その逆にパソコンで検証したプログラムをロボット上に移植することも可能ですので、応用範囲が広がります。
C言語で書いたプログラムを、マイコンのCPUが理解できるマシン語に変換するのが、コンパイラです。マシン語は、“1”“0”のデジタルデータの羅列ですので、人間が理解しやすいようにC言語などのプログラム言語を利用してプログラムを作成し、マイコンで実行するためにコンパイラでマシン語に変換します。パソコン上で出来上がったマシン語のプログラムは、シリアル通信などでマイコン上のメモリに転送し利用します。
マイコンが登場したばかりの頃は、CPUやメモリ、タイマ、インターフェース部分がそれぞれのLSI素子に分かれていて、ユーザが必要な素子を組み合わせてマイコンを製作していましたが、今は全ての機能が1つのLSIパッケージに収められていて使い易くなっています。しかし、かえってその種類が多く、高機能化していますので、用途に応じてその能力に見合った機種を選択しましょう。
CPUと従来各部ごとにIC化されていたメモリや周辺機能を、一つのLSIパッケージに収めたもの。組込み制御に用いられる。カウンタやADコンバータ、DAコンバータなどが内蔵され、多機能化されている。ロボット制御に最適。
高速処理の要求される組込み制御に用いられる。産業用工作機器をはじめ、デジカメやビデオカメラなどの画像処理、カーナビなどにも利用されている。
必要最小限の機能を備えたマイクロコンピュータ。従来論理回路や順序回路で実現していたものをマイコンに置き換えるときに便利。各分野ごとに特化した周辺機能を備えたものも多い。
家電製品のリモコンなどに利用されている物を例にあげれば、プログラムの変更をするだけで同一のハードウェアでも各社の規格に合わせることができ、規格ごとに設計変更の必要が無く便利。
2001.10